タバコが消える?
「タバコ」が統計的にも人体に有害だと証明されてから、タバコへの風当たりは強くなり、2018年7月に健康増進法の一部を改正する法律が成立し、2020年4月1日より全面施行されました。そのため、建物内の喫煙室も徐々に廃止され、飲食店でも禁煙が増え、屋外での喫煙場所も減少しています。職場のデスクで喫煙できていた時代からすると喫煙者に対するかなり厳しい処置になっています。喫煙者の方々は、タバコを吸う場所を求めて苦労することとなっています。
企業では従業員の禁煙を支援する取り組みが進められておりクリニックの禁煙外来を紹介するなどの取り組みも多くなっています。どのくらい効果があるかはわかりません。
私の生まれ育った福島県は、タバコ生産農家も多く、専売公社(現JT)のタバコ工場もたくさんあったので子供のころはそれほどタバコを悪い印象は持っていませんでした。しかし、タバコ生産農家も徐々に減少し、専売公社の工場も徐々になくなって目に見える形でタバコ産業の衰退を感じる状況です。
もはや喫煙は悪とされ、タバコ会社も生き残りをかけて事業領域の変更を余儀なくされています。
この流れでは、人類が喫煙と、そしてタバコとおさらばする日も近いのではないかと感じます。
喫煙とガンの因果関係については以下にあります。
たばこと肺がんとの関係について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト統計学を勉強すると因果関係と相関関係の話が出てきてその説明によく喫煙とガンの関係が例として取り上げられます。そのくらい一般常識として認知されているわけです。
次はお酒?
さてタバコが社会的に抹殺されようとしている昨今、次のターゲットは何かと言えば、「お酒」でしょうか。
私は元々、酒屋に生まれ、サラリーマン時代は大量飲酒のゴクゴク飲酒のサラリーマンでした。飲み会と言えば2次会3次会は当たり前の時代で週5日の飲み会などというのもざらでした。
そんな私が感じるのは時代の変化です。
コロナの影響なのか自宅飲みが増えているわけですが、このところはビールからチューハイに指向(マーケティング?)が移り、アルコール度数の高い9%という濃度の缶チューハイがコスパが良いということで売れていました。
そんな高濃度のお酒を自宅で飲んでいるとついつい飲み過ぎてしまいアルコール依存症のリスクが高まるわけです。自宅外で大量飲酒すれば事件・事故へつながるリスクも高まります。
居酒屋の大量閉店
時代の変化を感じるのはサラリーマンのオアシスだった居酒屋にも現れています。
コロナ時代の前までは居酒屋に入るのさえ予約なしでは大変だったのに、コロナになったとたんに居酒屋大量閉店の時代となり、このままではコロナが収束しても以前のように居酒屋大盛況とはならなそうです。
「金の蔵」が鮮魚を使った仰天店舗に…生き残りをかけた業態転換の行方:ガイアの夜明け|テレ東プラス
居酒屋「さくら水産」見かけなくなった? 店舗数激減、都内は8店のみ: J-CAST トレンド【全文表示】
モンテローザ、都内61店舗を閉店 時短営業に苦慮、固定費削減へ:都内店舗の2割 – ITmedia ビジネスオンライン
飲み会の減少
コロナ前までは時代が徐々に変わってきて「飲みニケーション」という言葉が受け入れられなくなりつつあったわけですが、コロナによって一気に加速した感じです。
これからの時代を担うZ世代の方々は、「飲みにケーション」といったつきあいには意味を見いだしていないように見えます。アルコール飲料を大量摂取するというのはメリットがないという認識でしょうか。当たり前といえば当たり前の感覚です。
Z世代は飲み会より「ヌン活」 会社の忘年会なくなってありがとう:朝日新聞デジタル
「職場飲み会」知らない新卒社員。“酒類提供”よりもリアルで話す場が欲しい | Business Insider Japan
アルコールによる事件・事故の増加
テレビのニュースで目にするのも、「飲酒による交通事故」「飲酒による傷害事件」などなどお酒にまつわる事件ばかりです。コロナ時代となり精神的に追い詰められ(多くは自らが自らを追い込んで)お酒が過剰となり事件へと発展しているように見えます。
「八街市児童5人死傷事件」で進む飲酒検知の強化、エンジンロック装置の導入企業も | ニュース3面鏡 | ダイヤモンド・オンライン
これらの事件・事故は、お酒がなければなかったかもしれません。
※2022年10月5日追記
ここ最近もアルコールで問題を起こした事例が散見されます。
俳優の香川照之さん、ENEOS会長だった杉森務さん。
お酒を飲むと人が変わってしまうという人は現に謹んでいただかないと自分の人生を台無しにしてしまいかねないという他山の石でしょうか。
お酒の健康への影響~黄色人種はお酒に弱い
お酒の健康への影響については、最近はデメリットしかないというのが定説になりました。
適量のアルコールでも脳には悪影響が 海馬の萎縮リスクが3倍以上に
結論としては、「飲酒は体に(脳に)悪い」です。
さらに黄色人種は、特にお酒に弱いのです。国税庁のサイトによれば、日本人は「ALDH2」不活性型が44%もいる、すなわちアセトアルデヒドの分解ができずに悪酔いしやすいということです。
そもそもアセトアルデヒドの分解能力が低いので大量飲酒はしてはいけないのです。
人生100年時代と言われる今、飲酒による脳の劣化が認知症などを促進するようであればもはや禁止薬物扱いされることさえ考えられそうです。
お酒規制はあるのか
お酒は、「食を支える重要な要素である」とか「お酒のおかげで生まれた文化もある」、「少量は気分転換に効果的」といった肯定的な意見ももちろんあります。そしてそれは重要なことで、守っていかなくてはいけない部分も多くあります。
しかし、事件・事故が増加したり健康被害が明らかになっていけば、社会全体の流れとしては徐々に飲酒文化に不寛容になっていくだろうとは推察できます。
では、法的な規制は現実的なのでしょうか。健康面などだけから言えばそうでしょう。でもそれだけではありません。お酒は社会への不満をガス抜きする役割も担っているからです。
お酒を安く入手できるようにして、不満をかかえた人たちが鬱憤をはらす手段として飲酒する。これが社会を安定させる役割、すなわちガス抜きになっていると思われるからです。社会への不満が直接政治にぶつけられたらたまりませんから、政治家は適度にガス抜きできるように飲酒を制限するといった手段には出ないでしょう。税収も適度に稼ぎたいわけです。
安心してください。
まとめ
私個人の感想としては、適量を守って楽しくコミュニケーションできる潤滑剤としてお酒を楽しめるのが一番かなと思う次第です。
そして健康に人生100年を生きれるようになれば良いのではと思います。