1.うまくいかないCOCOA
日経クロステックに以下の記事が投稿された。
「COCOAは今のままでは使えない」、有識者が本気でダメ出しした理由 | 日経クロステック(xTECH)
COCOAがリリースされて以来、インストール数の推移やバージョンアップの様子を見ていましたが、かなり混乱しているようで自分のスマホにインストールしようとはなかなか思えないアプリだなと思っていました。
2.COCOAは、なぜうまくいかないのか
インストールしようと思わない一番の理由は、「何がわかるのか」が良くわからないことと、「わかったらどうするか」が通知を受けた個々人に求められていることです。
「良くわからないけど、リスクがあったよ」としか教えてもらえず、リスクがあったらどうするかも不明確では何のためのアプリなのでしょうか。変に不安を煽ったり混乱を招くだけのアプリになっている気がします。個人情報を気にしすぎるあまりの迷走です。
3.批判を恐れて中途半端
個人情報にうるさい人たちに非難されることを恐れ、目標とする6~70%の人にインストールしてもらうために骨抜きになったということでしょうか。政治家なのか官僚なのかの権限を持った人が、「インストール率70%以上にならなければダメだ。個人情報でいろいろ言われないように最低限にしてうるさい奴らにも揚げ足をとられないようにして。・・・・・」などと無理難題を押しつけられて本来どうすれば良いかの議論はなされていないですね。結果を見れば明らかです。
ある程度の範囲で個人情報を取得をし、そのことを示した上で、了解した人だけが使うようなアプリにするのは常道です。必要な機能を洗い出してそれを実現するために必要な個人情報の取得は、しっかりと説明した上で理解を求めるようにしないといけません。批判されることで改善し良いものにしていく心構えが必要です。
4.プロマネの失敗
4.1 プロマネの定石から見た失敗
プロジェクトマネジメントの視点から見るとなぜうまくいかないのかは自明です。
記事のようにダメ出しがあっても、責任者を明確にしてしっかりとした体制を作り、目的をもう一度明確にし、機能を明らかにするといったプロジェクトマネジメントで常道とされる手順をきちんと踏んでいかないと同じ轍を踏むでしょう。
4.2 巨大組織にありがちな失敗
巨大組織では、プロジェクトの立ち上げからクロージングまで責任を持って行う責任者が不明確になったり、人事異動で途中で交代したりが常で、それによって無責任なプロジェクトになることがほとんどです。結果して、大きな成果を得られず、まあ何とか終わりました的な情けないクロージングになるわけです。クロージング時の責任者は、決して前任者が悪かったとかプロジェクトの振り返りなどはしないで穏便に終わらせるだけです。だって、その後も前任者やその他のステークホルダーと付き合っていくわけですから厳しいことは言えません。
そんな訳で、日本の国が動かすようなプロジェクトは、しがらみや忖度が蔓延ってうまく回らないのは自明です。
5.しがらみを断ち切って
しがらみなく、ひたむきに取り組む人々の活躍でこのような状況が改善していくと良いのですが。
微力ながら自分もできることを頑張ってこういう状況を変えていきたいです。生産性の向上、質の向上が必要です。仕事は仕事、人は人としっかり分けることも必要です。難しいことは重々承知で。